破産手続における免責審尋

1 免責審尋とは、自己破産手続における裁判官との面談

免責審尋とは、自己破産の際に、裁判官から破産者に対して行う質問です。

自己破産において借金をなくすためには、最終的に裁判所から「免責許可決定」を貰う必要があります。

免責をして借金をなくすべきか否かを判断するため、裁判官は、破産者に対して直接質問を行います。

この質問を免責審尋といい、裁判所に実際に破産者が呼び出されます。

2 免責審尋は、必ず行われるわけではない

破産手続は、管財人による調査が行われる管財事件と、管財人は選任されず書面上の審査を中心とする同時廃止事件に分かれます。

管財事件においては、管財人弁護士が免責調査を行い、免責不許可事由があるか、裁量免責が相当かを面談等で確認したうえで、免責を認めるべきかの意見を裁判所に上げます。

そのため、横浜地裁の運用では、債権者集会前には実質的に免責にすべきかの判断は固まっているため、裁判所があえて免責審尋で破産者に問いただすべきことは少なく、債権者集会において免責審尋は形式的に行われます。

裁判官から一言二言の注意がある場合や、裁判所からの問いかけがない場合がほとんどです。

一方で、横浜地裁の運用では、、同時廃止事件の場合は、そもそも免責不許可事由がないということで同時廃止となっていることが多く、免責審尋すら開かれないことが多いです。

もっとも、管財事件にするほどではないが、借入の理由が不明瞭で真相を明らかにする必要があると言った、同時廃止事件と管財事件の境界事例では、免責審尋が開かれます。

その場合は、裁判官、破産者、代理人弁護士の3者面談が行われ、30分~1時間程度の事情聴取や注意喚起が行われます。

3 免責審尋の質問内容

免責審尋の目的は、免責にして借金をなくすべきかを決めることにあります。

浪費やギャンブルで借金を作った場合や財産隠しを行った場合など、法律で決められた免責不許可事由がなければ、免責許可は得られることになっています。

また、仮に、免責不許可事由がある場合でも、浪費・ギャンブルの金額が少額であるとか、破産者が真摯に反省しているなどの事情があれば、裁判官の裁量により免責をすることができます。

そこで、免責審尋における質問内容は、このような免責に関係する事情の有無が中心になります。

具体的には、借金を借りた経緯、借金を借りた理由、過去のお金の流れなど申立書の内容などの不明点、破産者がどれだけ反省をしているかなどが聞かれることがあります。

また、破産手続についての説明や、申立から免責審尋までの期間の間に住所や生活状況の変化がないかの確認をされることもあります。

4 弁護士がついていれば免責審尋も安心

弁護士が就いて申立てをする場合は、免責審尋に弁護士が同席をすることができます。

免責審尋での回答内容によっては、免責が認められず借金がなくならないリスクがあるわけですが、一人で行くのと弁護士が同席するのでは安心感が違います。

基本的には、裁判官が直接破産者に質問をしますが、弁護士から代わりに回答することや、適宜フォローすることもあります。

また、弁護士が破産申立てをしている場合は、資料を揃えて分かりづらい点は補足説明を入れていたり、免責審尋の前に裁判所からの追加質問の回答を終えていることがほとんどです。

そのため、免責審尋では、ほとんど質問がないといったこともあります。