生命保険契約照会制度

1 亡くなった方の生命保険を網羅的に調べられる!

2021年7月から、亡くなった方の生命保険を調べられる「生命保険契約照会制度」が始まりました。

今までは、亡くなった方が生命保険に加入しているかどうかは、加入している生命保険会社に聞いてみないとわかりませんでした。

しかし、そもそもどこの生命保険に加入しているかがわからないと、せっかく保険に入っていたのに、知らないままということもありました。

今回の「生命保険契約照会制度」では、生命保険協会に問い合わせることで、全42社の生命保険会社に、生命保険契約の有無を網羅的に照会することができるようになりました。

2 生命保険契約照会制度のやり方

照会のやり方は

 ①専用のホームページから行う場合

 ②郵送で行う場合

の2つの方法があります。

①専用のホームページから行う場合

step1)ユーザー登録をする

https://seiho.force.com/seiho/s/login/?ec=302&startURL=%2Fseiho%2Fs%2F

上のURLにアクセスし、生命保険契約照会制度の専用ホームページにユーザー登録をします。

ユーザー登録は一番下の「初めて利用される方はこちら(新規ユーザー登録)」の項目をクリックします。

上の初回登録ページで、必要事項を記入して「送信する」を押すと、登録したメールアドレス宛にパスワード設定用のURLが届きます。

パスワードを登録すると、アカウント登録完了です。

step2)必要書類の準備

必要書類を準備します。

必要な書類は次のとおりです。

 ・生命保険契約照会 同意書

   生命保険契約照会制度の専用ホームページでダウンロードできます。

 ・照会者の本人確認書類

   照会者(=調査を行う人)の免許証等の本人確認書類が必要になります。

 ・被相続人の死亡診断書

 ・相続人と被相続人(=亡くなった方)の関係性がわかる戸籍(or法定相続情報一覧図)

   調査を行う人が亡くなった方の相続人であることを示す戸籍が必要になります。

   相続人であることを示す戸籍は、相続人により次のように異なります。

(ご家族の状況により、次の戸籍以外に戸籍が必要になる場合がありますため、詳しくは専門家までご相談ください。)

配偶者

→被相続人の除籍謄本

→被相続人の除籍謄本、照会者(=子)の現在戸籍

両親

→被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、子の死亡記載のある戸籍謄本、照会者(=両親)の現在戸籍

兄弟姉妹

→被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、子の死亡記載のある戸籍謄本、両親の死亡記載のある戸籍謄本、照会者(=兄弟姉妹)の現在戸籍

Step3)必要書類をホームページで提出する。

https://seiho.force.com/seiho/s/login/?ec=302&startURL=%2Fseiho%2Fs%2F

専用ホームページで、step1登録した、メールアドレスとパスワードで「マイページ」にログインします。

マイページ内下部にある「照会手続き」をクリックすると、照会対象登録者の入力画面が出るため、

必要事項を入力し、「次へ」を押して、画面に従って進みます。

「必要書類のアップロード」の画面で、step2で用意した書類をスキャンしたものをアップロードし、画面に従って進むと手続完了です。

②郵送で行う場合

https://www.seiho.or.jp/contact/inquiry/paper/

上のURLにアクセスし、次の項目を入力し「次へ」をクリックします。

・氏名

・生年月日

・住所

・電話番号

入力した住所宛に、申請書等が郵送されます。

申請書等を記入し、①のstep2に挙げました必要書類等を返送すると、手続完了です。

なお、このときに返送する必要書類は全てコピーで大丈夫です。

3 生命保険契約照会制度の注意点

この生命保険契約の照会制度は、「生命保険があるかないか」のみです。

・生命保険契約の種類

・保険金の金額

・保険金の受取人

などは調査対象外です。

実際に保険金を請求する場合や、他の相続人がいくら受け取っているかを知りたい場合は、照会でわかった保険会社に個別に調査をする必要があります。

しかし、保険会社への個別の調査は、相続人であっても、受取人でなければ必ずしも回答してくれるとは限りません。

生命保険金が特別受益として遺産分割の際に考慮される場合も存在するなどの必要性があれば、弁護士会を通した調査の場合は回答が得られる場合があります。

そのような場合は、弁護士にご相談ください。