「出生から死亡までの戸籍」の入手方法


亡くなった方の銀行預金の払戻しをする際に、必要書類として必ず目にするのが「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍」です。
この「出生から死亡までの戸籍」というのは、そのような名前の書類が存在するわけではなく、亡くなった方の名前が記載されている過去の全ての戸籍謄本のことを言います。
生命保険の請求で必要な「亡くなった方の死亡の記載のある戸籍」は戸籍1通でよいため、ご自身で集める方もいらっしゃいますが、「出生から死亡までの戸籍」を集める段階でつまずいてしまい、ご相談にいらっしゃるケースが多いです。

そこで、今回は、

1「出生から死亡までの戸籍」の戸籍とは何か
2「出生から死亡までの戸籍」の集め方を紹介します。

1「出生から死亡までの戸籍」の戸籍とは何か

人は戸籍を転々とする「出生から死亡までの戸籍」とは、今までの戸籍全てです。
産まれて出生届が提出されると、まず親の戸籍に入ります。そして、結婚をすると、夫婦2人だけの戸籍が作られ、親の戸籍から出ていきます(除籍)。また、本籍地を変えたり、戸籍法の改正があったりすると、新たな戸籍が作られます。
このように、日本人は、生まれてから死ぬまでの間に何個もの戸籍を転々と移動していきます。そして、過去の戸籍は基本的に全て市役所・区役所に保管されています。(※)この、過去にいたことのある戸籍全てのことを、「出生から死亡までの全ての戸籍」
※明治、大正の頃の戸籍だと、廃棄されていたり、戦災で燃えてしまってなくなっている場合があります。 

2 「出生から死亡までの戸籍」の集め方

市役所で「戸籍をください」と言っても最新の戸籍しかもらえないと思います。過去の戸籍を手に入れるには、その戸籍の

・本籍地

・筆頭者

がわかっていないといけません。

この点、戸籍を移動すると、移動前の戸籍には移動先の戸籍の本籍地と筆頭者が、移動後の戸籍には移動前の戸籍の本籍地と筆頭者が記載されます。

そのため、「戸籍を取る→移動前の戸籍の本籍地を確認する→その本籍地の市役所で移動前の戸籍を取る」と繰り返していけば、戸籍を一つずつ遡り、最後には出生のときの戸籍をとることができます。

もっとも、戸籍によっては、手書きで文字が読み辛いものや、どこに前の戸籍が書いてあるのかわからないものもあります。そういう場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。